2017-08

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多血性腫瘍の落とし穴  自分は常に間違っている

こんにちは

イチロウです。



本日のラインナップ
①多血性腫瘍の落とし穴
②自分は常に間違っている!




①多血性腫瘍の落とし穴

「えーそんな稀な腫瘍もうおめにかからないから憶えないーーー」

と先生はお思いになるかもしれません。

一瞬私もその考えが夜霧よ 今夜も ありがとう

いえ、よぎりました。

しかし、そこは素直に受け止めてみましょう。なぜなら画像診断所見から
診断に至れるかもしれないので。

これは、あるカンファランスで出された症例です。

30歳女性 約4cm大の境界明瞭な腫瘤です。貧血精査と言うことでしたが、Hb=13g/dl
のようなので女性としてはそんな貧血とはいえませんが、
とにもかくにもその精査の過程で
肝左葉近傍に腫瘤が発見されてしまいました。

肝機能は正常です。腫瘍マーカーも正常です。
USではやや不均一高エコーを示し、拍動性の血流がドプラー
で流入して見えます。

CTがダイナミックで撮影されており
内部ほぼ均一に全体が早期から濃染してきました。
後期相は濃染が弱まっていきます。
内部に壊死は全くありません。

冠状断が撮像されており、どうやら肝外にある腫瘍のようですが、
肝円索近傍にぶら下がって見えます。

そして肝円索すなわち
門脈で言えば臍部に当たる部分
からCTの動脈相でみると
動脈血流をうけていました。

T1強調像で低信号、T2強調像で淡い高信号でやはり壊死は無し
拡散強調像では強い均一高信号です。
脾臓のそれにも類似している印象です。
ADCは呈示されていません。

さて、選択枝が呈示されました。
それは、
 副脾
 異所性HCC
 腸管外GIST
 肝円索CCMMT
 悪性リンパ腫

です。さて、先生は何を考えますか?
ちなみに4番目にある肝円索CCMMT とは
clear cell myomelanocytic tumor の略で
perivascular epithelioid cell tumor = 血管周囲類上皮細胞腫瘍

PEComa (perivascular epithelioid cell)のことです。 
と言われても分からないと思います。

馴染みのことばでいうと 血管筋脂肪腫
と言ったらいいでしょうか?
言うまでもなく、血管筋脂肪腫は

以下  群馬県済生会前橋病院ホームページ

症例2 より引用
血管、平滑筋、脂肪の3成分が様々な割合で混在した
非上皮性腫瘍です。その中で
類上皮様の 平滑筋様細胞を主成分とする
組織型を PEComa と呼ぶ様です。

Melan A, HMB 45 といった melanoma marker が陽性

つまりCCMMT とは画像的にはAML(で平滑筋成分が多い) と同じになると
考えて良いのです。

っていうことで、聞いたことない肝円索CCMMTを理解したうえで
選択肢を考えてみると
副脾はどうか? 矛盾する所見は全くなし ただ、4cmというのは
自分の経験上は見たことがないです。 

また、通常は脾臓の近傍に生じますよね。
たまに膵臓内にできると 膵内副脾といった
よく言われている Epidermoid cyst の発生母地となります。
しかし、こんな所(肝円索下方)にできるのか? というのが疑問

一応、Pubmed で検索
Unusual presentation of right-side accessory spleen mimicking a retroperitoneal tumor.
An unusual case of retroperitoneal accessory spleen with vascular supply directly from the aorta.
A case of accessory spleen presenting as retroperitoneal tumor
An accessory spleen mimicking a nonfunctional adrenal tumor: a potential pitfall in the diagnosis of a left adrenal tumor.

後腹膜という報告が多くみられました
(もちろん、よくある報告は膵内副脾で
それをのぞくいて上記4つの英語文献を引用しました)

話それますが、膵内副脾の画像は

PubMed 上のKJR Kim SH 先生の論文参照のこと

に見に行けば見れますし、無料で文献も取ってこれます
(こちらはよく話題になるので見てみても損なりませんが
今回のこととは関係なし)。


つぎに異所性HCCはどうでしょうか?
肝近傍ではありますが、こんなに壊死がなく
内部が均一というのは解せません。
また、背景が正常肝の30才代女性に生じるとは思えません。

腸管外GISTはどうでしょうか?
早期相で脾臓に類似するくらい濃染
というのは濃染しすぎですし

4cm程度ならばあり得るのかもしれませんが、
壊死がない
のも若干気になるところですし
肝の血管から栄養をうけているのもどうかと
思います

悪性リンパ腫は?
内部均一な点はいいでしょうが、
早期に強く染まりすぎていると思います。

そして肝円索CCMMT つまり肝円索由来の血管筋脂肪腫(AML)
と考えてもいいでしょう。
AMLと考えれば早期に濃染してくる点で
矛盾はありません。

AMLの拡散強調像は、阪大の金東石先生の
Diffusion-weighted single-shot echoplanar MR imaging for liver disease. AJR 1999
によればADC値= 0.77x10(-3)mm2/sec
と 低下する と言われています。

つまり、この腫瘍は
肝円索近傍に肝外発育してるにもかかわらず
肝円索部由来での動脈血流をうけている

非常に均一な卵円形の境界明瞭な多血性腫瘤で
T1強調像、T2強調像はやや非特異的ですが、
拡散強調像では強い高信号を示している腫瘍 

ということになります。

したがって、選択肢の中で
副脾と
肝円索CCMMT が残り

出題者の意図や発生部位
を考えて
肝円索CCMMT という診断となります。

いやはやかなり稀な腫瘍ですが、
この発生部位にAML類似の腫瘍を見たときは鑑別に挙げるのでしょうか。

他、知識として知っておかなければならないミニ知識として

副脾が鑑別診断の最後に残った理由として
 腫瘤の特徴が脾臓に類似していたからですが、
 脾臓は拡散強調像で強い高信号を示すことをご存じでしょう
 膵内副脾や この症例では正常脾臓が存在していましたが、なかった場合の
splenosis の診断なんかには拡散強調像が診断のヒントになりますね。

 splenosis = 事故や手術で脾臓が破裂あるいは切除された場合にその破片が
 大きくなって腫瘍様にみえるもの。しばしば多発する 見てるものは脾臓組織

あと、CCMMT は AML と病理学的に同じようなものと考える
 したがって、早期によく濃染する 門脈相で wash out
 被膜や隔壁はなし T1強調像は非特異的だが、
 T2強調像は比較的高信号、拡散強調像で強い高信号、ADC低値
 であり、肝円索や肝鎌状靱帯等から発生している様に見える。

 場合には考えていくものの様です。


2. 自分は常に間違っている!

 先日、誕生日を迎えて年を取ってしまった イチロウです。
 誕生日そのものは おじさん となってしまった自分を再認識する
 日となっています。

 とにかく 確実に時は過ぎていきます。
1分1秒たりとも無駄な時間は使わないように
 しないといけません。

 マハトマガンジー(インドの宗教家、インド独立の立役者)さんは、

 Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.
  明日死ぬかのように生きなさい。永遠に生きるかのように学びなさい 

 とおっしゃっています。

 ありがたいお言葉が心にしみる 今日この頃です。

 先日その誕生日の近くの日曜日に 運転免許証の更新に出かけました。

 たまには平日に休みを取ってなどと甘い考えを抱いたのですが、
 妻からは、日曜日に更新手続きやっているのなら日曜に行けば!
 と言われてしまい その通りだと 思い直しました。

 朝早く起き 1時間ちょっと電車に揺られ
 運転免許試験場についたのは 8:20
 
 8:30から受け付け開始だったので
 一応 10分早く着いたぜ! と思っていたら、

 とんでもない。運転免許試験場内では
 
 すでに長蛇の列、列、列、列
 「きえーー あんたら何時にきとんねん!」 とさけんで
 しまいそうになりました。

 気を取り直し
 型どおり?の受付を済ませ、
 視力を測って 次に
 この過程が今回初めて加わったのですが
 
 それは、4桁の暗証番号を決めろ!
 と言うのです。
 私は、最初1つだと思って 5○○2
 と入力して安心していました。

 するともう一個聞いてくるではありませんか!
 あわてて 5○○3

と入力しました。
 そして、その暗証番号が入力された
 バーコードのプリントされた
 小さい紙が その機械から吐き出されました。

 その紙は、運転免許証の写真を撮る際に
担当者がバーコードにその免許書の中身に
 情報として埋め込む為のものだったのです。
 
 写真を撮って、1時間の講習(でも待ち時間45分も)を受け
 はれて免許の交付となったのち

 新しく交付された免許証の中の情報を専用端末機で
 確認してください
 と言われたので
 
 情報確認用の端末が4つ並んだ場所に移動することに

 これが終わればすべての過程が終了
 晴れてお家に帰れるのです。

 すでに私の左腕の時間は
 11:15 をさそうとしていました。

 免許証をいただき
 その端末機に向かう
 皆さんの足取りが速かったのは
 いうまでもありません。

 瞬く間に端末機の前に4つの列が出来ました。
 私は最右端の端末機の列の9番か10番目に並びました。
 左斜め前の列では咳を何度もするおっさん。
 自分の二つ前にはいちゃいちゃするアベックがいました
 いちゃつきながら時間を待ち時間をつぶしています

 私は、この待ち時間解消のために
 今読んでいる小説を読み始めたのです。
 そして、ついには自分の順番が次となり

 晴れて端末の前に
 私は軽快に端末のタッチパネルに
 触れていきました。

 指示に従い、交付したばかりの免許証を機械に挿入
 暗証番号を聞いてきました。
 そうです。顔写真を取る前に設定した あの 4桁の
 暗証番号です。

 こういう機械には不慣れなおっさんに
 見られたくなかった私は

 軽快に4桁の番号を
 第一暗証番号 5○○3
 第二暗証番号 5○○2

 とさらりと入力したつもりでした。すると

 番号が間違っています。とはねられてしまいました。 
 え、嘘でしょう?そんなはずはと 機械を疑って
 もう一度最初からやり直し

 するとやはり同様の結果が、、、
 えーーーおかしいよこの機械 と
 私は思い始め、
  
 機械が間違っている! と断定してしまいました。

 しかし、3回間違えると無効と成るようなので
 2回の失敗でやめる事にしました。

 なぜならば、もしかして 暗証番号が間違っている?
 と数%位はは思ったからです。

 結局、第一暗証番号と思っていたものが
 第二暗証番号で 第二暗証番号と思っていたのが
 第一暗証番号であることが、
 暗証番号が書かれた
 紙を手持ちの鞄の底から取り出して分かったのです。

 なんて単純ミスなのか
 実は、暗証番号を聞かれるときに2つ聞かれるとは
 思わず、あることでよく使っていた
 暗証番号に1プラスした番号をはじめに入力したため、
 次にいきなり第二暗証番号を聞かれ
 いつもつかっていた暗証番号を第二にしてしまっていて

 今度は 免許証公布後の確認を行う際は
 いつも使っている番号を必死に最初に入力していたのです。

 そうです。
 常に人間は思い込みで決定を下さない! 
 と言うことを肝に銘じるべきでした。

 ですから、自分は常に間違っている!
 と言う可能性を捨てずにいることが重要だ
 と痛感した次第です。

 本日は、非常に長い割にそんな教訓か?
 と思われたかもしれません。

 しかし、人と共感するためには この自分は正しくないかもしれない
 という考え方は非常に重要ですね。
 
 では、私になにかご意見がある場合は、下のブログのリンクへどうぞ。
 

 PS. 佐志先生との音声対談

   「早くしろよ!」 という声もちらほら

   音声教材です。

   音声のさわりをちょこっとだけ書き起こしてみました。
 
   ■イントロダクション 佐志先生と肩関節MRIとの出会い
 
   Q:はい、こんにちは。イチロウです。本日は肩関節で有名な佐志先生をお迎えしてインタビューをさせていただきたいと思います。まずは佐志先生のご略歴といいますか、ご自分で言っていただけるのが一番いいと思いまして、佐志先生にご本人からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 
   A:今晩は、佐志です。秋田大学を卒業して、特に整形領域というのではなくて一般的に何でもやるという感じでやっていたのですが、肩に関して言うならば、あるとき、現在東北大学の整形外科の教授になられた井樋(いとい)先生 が秋田大学にいらっしゃって、急にMRIの依頼が増えてしまったのです。

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Author:画像診断プロモーター イチロー
放射線専門医
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このブログは、臨床で活躍されている放射線医師、画像診断医、臨床医、診療放射線技師の方々のために、CTとMRIを中心としたあらゆる情報を共有することを目的としています。最近発売になって話題となっているEOBプリモビスト情報を主体に肝臓のMRI,CT、乳腺画像診断(MR mammography およびmammography)、急性腹症、頭部CT,MRI等その日に経験したホットな話題を提供していきます。 

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